冬季の備え

2011年11月18日
 今回は冬場に向けた対策をお話したいと思います。
 
 循環冷却水は、水道水や工業用水が用いられております。しかし、どれほど綺麗な水を使用しても冷却塔がある限り水質の悪化は防げません。その中で特に冬場に注意するもの、それは藻・カビなのです。
 
 使用する水質にもよりますが、水の中の有機栄養源は実は冬季の方が多くなります。これは自然界の植物の摂取量が減るためで、反対に夏季は栄養源は減ることになります。冬季は温度が下がるため各種の生物は活動を少なくししがちですが、その中で常に一定の温度が保てる場所があります。それが冷却塔の中なのです。
つまり冷却塔の中は
・一定の風が吹いている。
・常に一定の温度である。(24時間稼動の場合、外気が氷点下でも冷却塔内部は一定の温度になる)
・豊富な水が存在する。
つまり冬季の厳しい環境のなか、細菌やカビにとって絶好の繁殖条件が揃うのです。冬場によく問題となるレジオネラ菌ですが、別に冬場に特に繁殖しやすい訳ではありません。冬場の方が、繁殖しやすい環境が整う、つまり上記の3つの条件が揃うために起こるのです。皆様のご家庭でも、同じことが起こっております。冬場のカビ、台所や浴室に多く見られませんか?これも、この2箇所がやはり同じ条件を備えているからなのです。
 
 もう一つ、大きな問題があります。それは循環冷却水のトラブルの中でも藻・カビ特有のものです。それは、発生速度の速さなのです。
 
 スケールやサビは、成分が一定の濃度に濃縮しないとあまり発生は致しません。一定の濃度になり化学反応を起こしてスケールやサビが生成されるので、不経済ではありますが水の入れ替えを小まめに行うと一定の予防効果となります。しかし、藻やカビは自然の繁殖で発生し増加してきます。つまり、発生の速度がかなり早く、かつ爆発的増加を起こすことも珍しくありません。水の入れ替えを行っても3日たてば元に戻るケースも珍しくはありません。これは、これらが生物であり繁殖の結果だからなのです。そして、繁殖を促すものがもう一つあります。それは、自らの存在なのです。冷却塔でも、冬季に入れば外縁部はそのまま外気にふれますので温度は下がります。そのため、外縁部に発生した藻やカビは死滅するケースが多く見られます。しかし、その死骸自身が次の発生の栄養源となり、温度が保たれている内部で更に増殖するケースが後を絶ちません。そのため、藻やカビの対策は死滅させることではなく、発生させないことが一番の要件なのです。
 
 冬季にはいれば温度が下げやすくなり負荷が下がる、そうお考えの方は数多くいらっしゃいます。しかし、本当にそうなのでしょうか?節電対策のためにも、今一度冬季の循環冷却ラインを見つめなおして見てください。