実例に伴うQ&A ⑦

2011年06月16日

 さて今回は、ある製薬会社のお話をさせて頂こうと思います。

 製薬会社の工場といえば、どの工場でも清潔感に満ち溢れた美しい工場を連想され

ると思います。その会社の工場も、建物は広く敷地には手入れをされた鮮やかな草木

が茂り非常に好印象を与えます。特に緑の樹木や草木は、人の心に安らぎを与えま

す。そのため、いずれの製薬会社も会社のコンプライアンスに直結するため、工場の美

観にはとても気を使っておられます。しかし、その美観のための草木から、問題は発生

するのです。

 6月にはいり、日本の大部分は梅雨へと入ります。毎日じめじめとし、爽やかには程

遠い状況ですが、この雨こそ草木や花を育てる恵みの雨なのです。この恵みの雨のお

かげで、草木は勢い良く成長していきます。草木の成長とともに、様々な生物や昆虫、

時には動物も姿を現せます。このように、草木のおかげ工場は生き物が豊な環境とな

るのです。しかし、生き物が満ち溢れる環境は、冷却塔にはあまり良い環境にはなり得

ません。周囲にこれだけの生き物が満ち溢れる環境ならば、当然冷却塔の同じか若し

くは更に厳しい状況になるからなのです。

 昆虫や動物が存在するならば、それに伴う数多くの微生物も存在致します。カビの胞

子や雑菌もそれらに含まれております。それらが冷却塔に吸い込まれるとどうなるので

しょうか。冷却塔の中は

 ・空気の通りが良く、日光も当たる。

 ・常に適度の温度に保たれ、夏季でも冬季でも温度がそれほど変わらない。

 ・水の供給は豊富で、途切れる事が無い。

これらの条件を整えている環境であるとも言えるのです。そんな環境があれば、カビは

生え、藻は大繁殖し、それを養分として雑菌がコロニー(スライム)を形成します。そうな

れば、冷却の能力は当然のこと、美観も大きく損ねなにより各種病原菌の発生を恐れ

ることになります。それを予防するためにこれまでは、水処理用の薬剤を使用しており

ました。しかし、環境負荷の大きい薬剤を使うのは、何のために美観を整えてきたのか

コンプライアンスそのもの意味がなくなることになります。また、これらの微生物の繁殖

速度は凄まじいため、小まめな清掃で対応するにも限界があります。そのため、環境負

荷の低く微生物まで対応できる銅イオンを、この製薬会社は検討を始められたのです。

 自然の猛威と良くいいますが、対処を誤るととんでもないことになります。皆さんも、も

う一度この点をお考え頂ければと思います。