実例に伴うQ&A ③

2011年03月10日

 さて、今回からはまた日本国内のお話にさせて頂きます。

 T社のケース

 兵庫県にあります化学工場T社において、深刻な問題に対して銅イオンの導入をご検

討頂いております。検討に際して、銅イオンを含めた水全般へのご相談となりました。

前回と同様に箇条書きさせて頂きます。

 Q1、銅イオンでSS(浮遊物、この場合は微生物による)を処理できるか?

 Q2、大量の水に対応できるか?(水系全体に藻が発生している)

 Q3、使用上の問題について?

以上、3点のついてご質問頂きました。それに対しT社の現状をまずは伺わせて頂きま

した。T社は大量の工業用水と、地下水を混合させて使用しております。設備・規模か

らすると水の使用量はかなり多めであり、それは次の原因によるものです。

 藻(有機物)の大量発生

 設備の工程で、工業用水と地下水を使用します。その際、藻(鉄バクテリア)が非常

に多く発生いたします。大きな水槽を保有しておりますが、その水槽の壁面、水面(S

S)、冷却塔と水を使う場所全てで発生が見られます。その発生予防には濃縮をさせず

に水を入れ替える必要があるため、大量の水を使用しているのです。そして、以下が回

答となります。

 A1、銅イオンでSSの処理は可能です。但し、SSの発生原因について調べて

    それに応じた対策を講じなければなりません。

 A2、大量の水への対応も可能です。但しこれもA1と同様、応じた対策を講じ

    る必要があります。A1,A2とも含め、A3で回答致します。

 A3、銅イオンによる微生物の対応より、設備の運用を見直す必要があります。

    SSが発生する原因は

    ・含まれる成分(今回は鉄分、雑菌)が多い。

    ・水が澱んでいる。(流れが殆どない)。

    ・日光がよくあたる。

    銅イオンはSSの雑菌を殺す作用があり、SSの対策としては有効な方法

    です。しかし、澱み=流れがない訳ですから、銅イオンがSSに届くのかを

    まず考慮する必要があります。そして、もうひとつ注意する点があります。

    それは銅イオンの残存効果、です。銅イオンは極めて優秀な殺菌効果を

    持っておりますが、その効果は長続きしないため、環境負荷が非常に低

    いのです。T社は、SSの発生現場の水槽から排出口までの距離が長く、

    しかも全て日光が当たります。その為、水槽で銅イオンにて対策を行なっ

    ても、下流の排出口ではもう一度再発生する危険があります。

 SSへの対策と、藻の対策は切り分ける必要があります。この場合は、T社に対してS

Sなのか藻なのかの優先順位をつけて頂き、それに応じた提案を行うことになっており

ます。銅イオンは汎用性が広く使い勝手がいいものですが、その効果を十分発揮さ

るためには設置運用場所や方法について十分な検証が必要です。

 御社でも一度ご検討を。是非お問い合わせ下さい。